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セラミックスが凹む?

おもてなしの街、銀座でロハスな歯科を目指す!
大山歯科クリニック 院長より

顎咬合学会で感化され、 ”どのようにすればコンポジットレジンを最大限に生かして、審美治療ができるか? ” を一日中考えていました。

今週は文献をリサーチして、まずは理論武装する予定です。そして必要な器材を揃えて、ラボで練習して、実践です。何事も練習あるのみですね。

さて、昨日の新聞に私としてはとても興味深い記事がありました。

”へこむセラミックス” (2007年6月10日 朝日新聞)

陶器やガラスなどに代表されるセラミックスを特殊加工すると、力を加えた際に表面が金属のようにへこむことが、物質・材料研究機構と東京大学先端科学技術研究センターの香川豊教授(材料工学)らの研究でわかった。

最近は、 ”治療した痕がわからないようにしたい”、 ”金属を体に入れたくない”、 ”もっと歯をきれいにしたい” などの要求が増えて、セラミックスの詰め物や、かぶせ物を好まれれる方が多くなっています。

金属は力を加えていくと曲がったりへこんだりするので、すぐに折れたり壊れたりしません。しかも限度内であれば、ある程度大きな力が加わり一時的に変形してもちゃんと元に戻ります(弾性変形)。そのため歯科の修復物、補綴物の材料として色々なものに使われます。

一方、セラミックスは常温ではわずかしか変形せず、しかも元に戻りません(塑性変形)。

変形したとき≒破壊 (脆性破壊) なのです。

そのため歯科の修復物としては、セラミックスに大きな力が加わっても変形して壊れないように、とにかく強度を高めていく(特に曲げ強度や、破壊靱性)ことに注力されました。

強度を高めようとするあまり、本来の歯の持つ透明感や自然な色合いが損なわれ、実際に使い物にならなかった研究も多くあります。

近年では強度と審美性のバランスをとるために、ジルコニアと長石系セラミックスとのコンビネーションで使用する方法がクローズアップされています。

しかし今回の記事のように、セラミックスが常温で、変形しても壊れないというのは、まさに大発見です。

これが実用化されていけば、今までのセラミックスとはまったく違った使い方ができるでしょう。ほんとに面白いことになってきました。

歯科で使うにはやはり、色や加工性がが大事なので、恐らくそう簡単にはいかないでしょうが・・・

今後の研究動向に注目です!

銀座の歯医者・歯科大山歯科クリニック

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