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顕微鏡について

技工士の真野です。今回はいつも仕事で使っている顕微鏡についてご紹介します。
顕微鏡というとみなさん子どもの頃に理科の実験で使ったものを思い浮かべる方が多いのではと思います。
私が仕事で使っている顕微鏡は双眼実体顕微鏡と言います。
理科の実験の顕微鏡の倍率が数十倍~数百倍に対してこちらは20倍で、実物と同じように立体的に見えます。
20倍の倍率だとどんな感じに見えるかをお伝えするのは難しいですが、例えると髪の毛一本がシャーペンの芯ぐらいに見える感じです。(あくまでも私見ですが)
この顕微鏡を使ってほとんどの仕事をおこないます。
まずは型どりのチェックです。先生たちが採ってきた歯型をチェックします。
先生方も20倍の顕微鏡で見られてしまうので大変です。先生方も約3倍くらいのルーペを使って精密に歯を削ります。
型どりがうまくいかない時はもう一度お願いすることもあります。
たまに患者様にお時間をいただいてしまうのはこのためです。
チェックに合格した歯型から模型が出来上がり、それぞれの工程で顕微鏡を使いながら、精度の高い詰め物、かぶせ物を作ります。

ひとつ問題点としてはとても目が疲れることです。
今使っている顕微鏡の一代前のものではあったんですが、初めて使うことになった時、5分見ているだけで、気持ち悪くなってしまいました。
目を凝らして詰め物を覗きながら、手で機械を動かして磨くので、それを見過ぎて酔ってしまうのです。
こんなことで、この先やっていけるかなと不安になったのを覚えています。
今でも長い時間顕微鏡を使った日は目のまわりが熱っぽくなり、電車の中で活字を見るのも辛くなるほどです。
それでも今では仕事に無くてはならないものとなりました。 ちょっとした作業でもつい覗きながらやってしまいます。
この仕事に就くまでは1ミリがとても小さい単位に思えましたが、日常的的に0コンマ何ミリ、数十ミクロン(マイクロメートル)という会話が多くなりました。
そういう意味では日常の生活とは別世界のようです。感覚的には1ミリが1センチくらい大きく感じ入るようになりました。
この仕事で1ミリの誤差、ズレは完全に失敗で全く使い物にはなりません。 なにせ1000ミクロンですから・・・。
細かい仕事でもあり、お口の中に入れるものを製作し続けているので、性格までもが変わってきたような気がします。
日ごろ生活していて、いろいろと細かいことに気がつくようになった気がします。 もともと大雑把な性格だったので、ちょうど良いのかと思っています。
この仕事に関しては大雑把では務まらないでしょう。
最近は性能の良い顕微鏡が発売されています。 LEDの照明でとても明るく見やすいです。
今後最新の顕微鏡を導入して、より精度の高いものを製作していきたいと思います。
銀座の歯医者・歯科大山歯科クリニック

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