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歯科理工学総合実習2日目
2011年06月29日
院長です。
歯科理工学実習の2日目です。
今日は主にどの班も試料の作製となります。
班により独自のテーマを持って実験しますが、陶材班は主に陶材の色調の変化や、焼成による寸法変化、強度を測ったっりします。
今回は新しい材料のためまだ臨床でもわかっていないところが多い、「ジルコニア」 を使った実験の一つを紹介します。
白い円盤状のものがジルコニアです。その上の円柱状のものが長石系陶材です。
ジルコニアは曲げ強度が通常の長石系陶材の10倍以上である 約1,000MPa もあります。
ジルコニアだけで歯の形がきれいにできればよいのですが、きれいな透明感や細かい色が出せないために、ジルコニアの上に長石系の陶材を焼き付けます。ジルコニア自体が強くて壊れなくても、上に焼き付ける長石系陶材が上手く焼き付いていなければ、はがれたり、壊れたりしてしまいます。焼付きの強度がどのぐらいあるのか、またどうすれば強く焼き付くのかをこの班は調べようということで、実験をしています。
ポーセレンファーネス(電気焼成炉)です。
・
焼成炉に入っていくところです。
UFOに吸い取られていくようです。
焼成炉を小窓からのぞくと、このような感じです。
内部の温度は約950あります。
近寄るとやけどします!
焼きあがったところです。
ピンセットでつまむとこの条件では全くくっついていません・・・
これは違う種類の長石系陶材を使用したものです。
ちゃんとくっついています!
熱膨張係数の違いが影響しているのでしょうか。
これからの実験でどこまでつきとめられるかが勝負ですね。
焼付き具合を調べるために、上手くくっついた条件の試料はこのようにプラスチックで包埋します。
今週はここまでです。
来週この試料でせん断試験を行い焼付き強度を測定します。
実はこの実験、大学院生の博士論文にも使えるような最先端の実験ともいえるのですが、大学3年生がやっているところにこの総合実習の意味があります。
私達教員も結果がわからないのですから、面白いですよね!
それではまた来週!
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