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歯科補綴物の未来 ~ナノジルコニア~
2011年10月29日
歯科医師の田中です。
先日、院長とチュービンゲン大学(ドイツ) の歯科材料学 ユルゲン ガイス教授、歯科補綴学 ハイナー ウェーバー教授達によるナノジルコニアの講演会にいってきました。
ジルコニアは白い金属とよばれぐらいの高い強度を持っており、歯科領域ではメタルフリーの代表的な材料となっています。
しかし欠点もいくつかあありますので、状況に応じて使われてきました。
今回の ”ナノジルコニア” という素材は従来のジルコニアの弱点を大きく改善し、使用できる領域がより広くなり、金属に近いものとなりました。
他のジルコニアと大きく違うところは以下の三点。
①より強度が増したことでかぶせものが薄く作れるようになり、歯を削る量が大幅に少なくなりました。
②今までは熱変形を計算しながらジルコニアを大きめに削りだして焼くという流れでしたが、完成材料の状態から削ることができるようになりました。
これにより熱変形なく作製できるので金属補綴物同等の高精度のものができるということです。
③唾液などによる低温劣化がなくなりました。
どうですか?
聞いているだけで使ってみたくなるほどの進化を遂げていた ”ナノジルコニア” に僕は正直目を丸くしてしまいました。
ちなみに義歯の金属部分もそのまま ”ナノジルコニア” に置き換えることも将来できるようです。
この ”ナノジルコニア” の登場で歯科業界はさらにメタルフリーに進んでいくのではないのでしょうか?
歯科の未来を感じさせる大変興味深い講演でした。
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